こんにちは。
私は、普段は薬剤師として働きながら、暮らしに役立つお金の知識もお伝えしているファイナンシャルプランナーの藏屋景子です。
病院のコラムで「医療とお金」にまつわるお話をしていきたいと思います。
今回のテーマは「妊娠とお金」です。
私自身も子どもが3人おり、妊娠出産を経験しています。
その時に「ここを気を付けておけば良かった!」と感じたことを、ファイナンシャルプランナーの視点からお伝えします。よろしくお願いします。

妊娠出産はお金がかかるイメージがありませんか。
「でも給付金ももらえるし、なんとかなるかもー!」って思いますよね。
私もそうでした。1人目を生むまでは・・・。
知ってましたか??
妊娠出産の給付金は振り込まれるのがめちゃくちゃ遅いってこと!
なので、妊娠が判明したら出産前後の生活費を確保することを強くお勧めします。
出産でもらえる手当金を確認
出産や産休育休でもらえる手当金は大きく3つあります。
①出産育児一時金・・・一児につき50万円支給。出産した病院の支払いに充てるための費用。
②出産手当金・・・産休中(働く女性が産前42日、産後56日にもらえる休み)の手当金
③育児休業給付金・・・育休中(産休終了後~子が1歳になるまで)の手当金
他にも2025年4月より、出生後休業支援給付金も支給されますが最大28日分の支給のため、今回は割愛します。
で、問題はこれらが「いつもらえるか」になります。
①出産育児一時金は心配ない。
出産育児一時金は正確に言うと、自分たちがもらうのではありません。
出産した病院・クリニックの支払いに充てるための費用です。
直接支払制度を利用すれば、健康保険協会から直接、病院・クリニックへ入院費の支払いがされます。
立て替える必要がないので、多くの方が利用しています。
出産費用が50万円より安ければ、その分返金がもらえます。
その代わり、足りなければその分は自腹となります。
この給付金は申請すれば、直接病院が入院費として受け取るため心配いりません。
②出産手当金は遅い!!!!
はい、問題は②出産手当金です。
産休中の手当金に当たります。
ですが・・・これが、これが、ほんとうに遅い!!!
なんと、産後2か月半~4か月後に支給されます。
Xで「出産手当金 遅い」で検索かけると阿鼻叫喚となっています(泣)。
少し前のデータですが、私が3人目を出産したときは
・出産日:2018年1月17日
・出産手当金入金:2019年4月11日
出産してから入金までおよそ3ヶ月です。
ほんとうに待ち長かったのを覚えています。
産前産後の生活は今までの生活とペースが違う上に、生活費もいつも通りではありません。
体力的にもきつい時です。
多目に備えておいた方が精神的にも余裕ができます。
特に1人目だとたくさんお祝い頂くので、その内祝いにもお金かかります。
お祝いは現金だけではないので、補えるとは限りません。
かわいいベビ服もらえるとテンションは上がりますが。
1カ月後にはお宮参りもあります。
親族で食事行ったり写真屋さん行ったりすればバンバン諭吉が飛んでいきます(笑)。
あぁ、今は栄一さんでした。
いつ入るのかと今か今かと通帳の残高確認ばっかりしていました。
③育児休業給付金も要注意!
育児休業給付金は産休が終わった後の、育休中の手当金になります。
育児休業給付金は2カ月分ごとに申請して、振込も2カ月ごとになります。
都度の申請は、名前を書いて印鑑を押すくらいです。
なので職場に2カ月おきにいかないといけません。
2カ月が過ぎてから申請するため、この入金も遅いです。
出産手当金が高額だからといって、散財したら大変なことになってしまいます(笑)。
ちょっと分かりにくいので、図にしてみます。

休業開始から半年は賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。
この賃金は額面の金額になります。
給料の場合、所得税や社会保険料などがもろもろ引かれて、通常手取額は額面の7-8割ほどになっています。
しかし、出産手当金や育児休業給付金は手取り額ではなく、「額面がベース=もろもろ引かれる前の金額」なので思ってたより多く感じます。これは嬉しい♪
まとめ
私が一人目を出産した時の2009年には、育児休業給付金は賃金の50%でした。
しかもそのうちの20%分は、職場復帰の半年後の振込です。もう既に育休の時に使うのは不可能です(笑)。
育休中には30%分しか入金されません。
「どうやって暮らせと?遅いってもんじゃない。」と憤りがありましたね。
それが、今は最初の半年は67%に上がり、それ以降は50%となっています。
しかも、2025年4月からは出生後休業支援給付金も新設され、育児休業給付金と合わせると賃金の100%支給されることになります。
出生後休業支援給付金は現在では最大28日分のため、もう少し長くなって欲しい所です。
1人目の育休中にはほんとお金なくて、年賀状の時期にプリンタのインクを買うのに悩んだことを覚えています。全色セットの方がお得だけど、5000円くらいします。
た、高い。単色にしておこうって考えていました。
そもそもなんでプリンタのインクってあんなに高いんでしょうね。
話を元に戻しますが、産休育休中にもらえる手当金はだいぶ手厚くなってきています。
ですが、入金までのタイムラグが結構大きいのです。
まとめると、
①出産育児一時金 → 問題ない
②出産手当金 → 遅い!出産後2カ月半~4か月後
③育児休業給付金 → 遅い!最初の支払いが育休開始2か月後以降
妊娠が分かってから、出産までの間に生活費を備えておきたいところです。
大まかに4カ月分の生活費+αを確保しておきたい。
妊娠・出産での出費は、ベビー用品だけではありません。
産後の生活費は意外と盲点です。
子供を望んでいる段階でお金だけは貯めておきたいですね。
あって困るものではありません。
ですが、ないと大変です。
前もって知って入れば備えることはできます。
「お金は万能じゃないけど、たいがい有能。」
大好きなカズレーザーの言葉で締めることにします。
読んでいただきありがとうございました!